薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

2型糖尿病治療剤「フォシーガ」についての薬ザリ的感想

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先日、SGLT-2阻害薬である「フォシーガ」の勉強会に参加する機会がありました。せっかくなので、内容を書き出してみたいと思います。

※一部薬剤師向けの内容となっています。ご了承ください。

概要

商品名/成分名:フォシーガ®錠 / ダパグリフロジンプロピレングリコール

効能効果:2型糖尿病

用法用量:通常 5mgを1日1回。効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら10mgに増量することができる

主な副作用:腎盂腎炎、敗血症、脱水、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)、などなど

薬ザリ的ポイント!!

・用量依存的に糖の尿中排泄量を増やす(比例というわけではない)

・5mg/日の内服で糖を64g排泄できた→約256kcal相当 ※その分、体重も減ります

・用法に食前などのタイミングの指定がない→飲み忘れたときに内服できる(食後とか食間とかになっても内服可)

SGLT-2阻害剤に対して言いたいこと

初めに宣言しておきますが、薬ザリはDM(糖尿病)領域は得意ではありません!!

…薬剤師としてどうなの?とも思いますが、ある程度得手不得手があるのは仕方ないと割り切って、少しずつ勉強している段階です。

そんな僕が思うのが

「SGLT-2阻害薬乱立し過ぎじゃない??」
「…こんなに覚えたくない」

というのが正直なところです。ちなみに、この記事を書いている現在で薬価収載されているSGLT-2阻害薬は下記の6種類となります。

・スーグラ®錠(成分:イプラグリフロジン)

・フォシーガ®錠(成分:ダパグリフロジン)

・ルセフィ®錠(成分:ルセオグリフロジン)

・アプルウェイ®錠/デベルザ®錠(成分:トホグリフロジン)

・カナグル®錠(成分:カナグリフロジン)

・ジャディアンス®錠(成分:エンパグリフロジン)

そして、印象として「どれも効果は同じじゃない?」というのがどうしても頭をよぎります。なぜそういう印象が頭をよぎるのか、、今日の勉強会でそのヒントを得ました。

head to headの大規模試験が存在しない!!

つまり、製剤同士での効果や副作用の比較を行っていないようです!!
今回もらった資料も、全てプラセボ(偽薬)との比較試験のみです。

いくらプラセボとの比較で効果に有意差が出ましたとか、副作用に有意差が出ませんでした、とか言われても正直頭に残りません。薬価収載されて発売されている時点で、偽薬と効果に差が出ないわけないじゃん!!と声を大にして言いたくなってしまいます。

気になる副作用「尿路(性器)感染症・敗血症」

僕は普段「感染」に関係した仕事に携わっています。そのためか、SGLT-2阻害剤に共通の副作用である「尿路(性器)感染症」がすごく気になります。

なぜSGLT-2阻害剤で尿路(性器)感染症が増えるの?

SGLT-2阻害剤がどのようにして血糖を下げてくれるかを一言で言うと、

尿と一緒に体内の無駄な糖分を排泄させてしまおう!

となります。少~しだけ専門的に作用を書くと

「通常であれば、近位尿細管に存在するSGLT2の働き(糖の再吸収)で糖分は尿の中に排泄されないはずですが、ある一定の血糖を超えて高血糖となると、SGLT2の働きに限界が訪れ尿の中に糖分を排泄させてしまいます→正に糖尿病の状態。こうすることで、高血糖の状態を少しでも緩和しようという人間の身体の試みですが、SGLT2阻害剤は、この働きを意図的に阻害→敢えて尿中に糖分を排泄させる」

となります。

つまり、普段は尿路に糖は出てこないわけですが、この種の薬を使用すると意図的に尿路に糖を大量に出します。この糖というのは、人間にとって大事な栄養素でありますが、菌にとっても栄養素となりえます。尿路というのは不潔か清潔かと言われれば不潔側になります。そんな中に栄養たっぷりな糖が存在すれば、そりゃー菌も繁殖しやすくなるよね、ってことで尿路(性器)感染症や、そこから敗血症に繋がって大変な思いをすることになってしまう患者さんが出てしまうかもしれないと注意喚起されています。

どういった方が尿路(性器)感染症にかかりやすい?

SGLT-2阻害剤に限らない話しですが、尿路(性器)感染症自体に性差があり、女性の方が起こしやすいと言われています。

原因は解剖学的に仕方がないことであり、普段から清潔にする以外に対処のしようがないのが現実かと思います。

尿路(性器)感染を防ぐために出来ること

少しでも感染を抑えるためには、

定期的な排尿を心がける

これに尽きると思います。定期的な排尿が難しいとしても、尿意を我慢しないように工夫して生活するだけでも変わってくるのではないかなと思います。ただでさえ、このSGLT-2阻害剤を内服すると尿量が増えるとされています。服用を始める前と後では排尿回数も変わってくるかと思うので、内服開始時に患者さんにしっかりと伝えられたら良いのではないかと思います。

最後に

フォシーガについては心不全に関しての試験結果が出ているようですが、何せ他剤との比較試験がないため、鵜呑みにして良いのかな?(試験結果を疑っているわけではありません。フォシーガで効果があるのは証明されているが、他剤と比べて良い・悪いのデータではないため)というのが正直な印象です。

今回フォシーガの勉強会に参加してみて、改めて他のSGLT-2阻害剤としっかり比較しておかなければならないなと実感しました。

今度時間を見つけて、自分なりの比較表みたいなものを作れたら良いなと思います。