薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

今度はエピナスチンドライシロップが自主回収

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今度はエピナスチンドライシロップ製品が全て自主回収となるとの情報をキャッチしました。


対象メーカーは「日本ベーリンガーインゲルハイム」「沢井製薬」「東和薬品」「日医工」の4社です。


病院の状況によっては早急に代替薬の検討をしなければならなくなりそうです。

エピナスチンドライシロップ製剤が自主回収

今回の自主回収の特徴は、エピナスチンドライシロップ製剤全てが自主回収対象となっており使用期限内の全ロットを回収する点です。


具体的には下記の4剤となります。

・アレジオンドライシロップ1%
・エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「サワイ」
・エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「トーワ」
・エピナスチン塩酸塩DS小児用1%「日医工」


つまり、先発品であるアレジオンドライシロップを含め、全てのエピナスチンドライシロップ製剤が自主回収となっているので同一成分でのスイッチが難しい状態となってしまいました。


錠剤に関しては自主回収にはならないので通常の納品が可能かと思いますが、小児に対して使用する際に錠剤に変更できるかは甚だ疑問ですので、実際は同一成分でのスイッチは不可になってしまうのかなと想像されます。


これは早々に代替薬の選定を医師と行っておいた方が良さそうな案件です。

エピナスチンドライシロップ製剤が自主回収になった理由

なぜ先発品を含むエピナスチンドライシロップ製剤が自主回収になってしまったのか。


例によってメーカーからの配布文書を見てみたいと思います。

エピナスチンドライシロップ製剤回収の案内
 


簡単に言うと、ICH-M7ガイドラインというものに基づいて自主的に調査したところ、「発がん性が不明の既知の変異原性物質」とされる可能性のある物質が確認されたため、とのこと。


私が疎いだけかもしれませんがICH-M7ガイドラインという名前も初めて聞きました。


言葉の意味としてはこのように書かれています。

潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理に適用される実質的な枠組みを示すもの


正直「??」なところもありますが、上記のガイドラインから逸脱してしまったということのようです。


回収はクラスⅡということで、健康被害の原因となる可能性を少なくても否定しきれない状況との判断ですので、回収はスピーディに行ってもらいたいところです。


が、現場は大変ですね。。


私が勤務している病院では小児科がないので大きな問題になることはなさそうですが、小児科診療を行っている病院や保険薬局では大きな問題となること必須案件。


エピナスチンドライシロップの自主回収製品に「日医工」…


本記事の冒頭で「今度は…」と書きました。


「今度は…」ということは以前にも同様の件があったということになりますが、ありましたよね。


皆さんの記憶にも新しいであろう「日医工」の各種製品。


今回のエピナスチンについては「日医工」が、、という問題ではなさそうですが、なぜここにも「日医工」が出てきてしまうんだ?と感じずにはいられません。


この「日医工」と同列で掲載されてしまっている他3社が少しかわいそうにも思えてきますね。


日医工関連↓↓
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