薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

【医療職】今年の新入職員の方々に気を付けてほしいこと

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気付いたらもう4月になりました。

病院にも新入職員がごっそりと入ってきました!

例年ですと新入職員を集めて

「手指消毒とは?」

「標準予防策とは?」

「マスクの付け方は…」

などの話がありますが、昨今の状況を考えてみるとそれらの話しにも注意が必要ではないかと考えています。

注意が必要というのは説明をする先輩側ではなく、今年新入職員として入職される皆さんです!

今回はその理由を私なりにお伝えします。

新入職員の方々に気を付けてほしいこと①:病院は正常運航ではない

今や連日マスコミを騒がせている新型コロナウイルス(COVID-19)関連感染症。

少なくても医療職を目指して頑張ってきた方であれば、どれだけ病院が混乱を呈しているかは想像できるかと思います。

新型コロナウイルス関連感染症をまだ受け入れたことがない病院でも大混乱必死な状況となっていますが、そのような中で皆様は入職します。

入職後、いろいろと先輩方から指導を受けることになるかと思います。

その指導内容が、少しでも勤務経験があれ方であれば「これはおかしい」とか「そんなわけはない」と気付けるかと思いますが、新入職員の方が気付くのはなかなか厳しいことだと思います。

もしかしたらこういう点での説明がおかしくなるかもしれない、という前情報をお伝えします(内容は筆者の独断と偏見ありです)。

サージカルマスク

1日1枚まで…

3日で1枚まで…

1週間で1枚まで…

今や本当に恐ろしいことになっています。

マスクは本来汚いものであり、使い回しなんてことはあってはいけないことです。

なのにこのコロナの騒動があってから病院でもマスクが不足し、致し方なく制限をかけている病院があります。

ここで一つ胸に留めておいて欲しいことがあります。

病院内での感染症は新型コロナウイルス関連感染症だけではありません。

他にも怖い感染症はたくさんあります。

今のところ表に出てはおりませんが、もしかしたらこのマスクが不足しているために一部の感染症がいつもよりも拡大している可能性も否定できません。

マスクは超貴重品です!

絶対に1日に数枚使わないようにしてください!

もしかしたらこのような説明を受けることもあるかもしれません。

確かに「今の状況」を考慮すれば当然のことだと思います。

しかし、少なくても新型コロナが表に出る前ではやっぱり使い捨てです。

処置毎だったり、何かに汚染されたと感じた時に適宜付け替えるものです。

この大前提を是非分かった上で先輩の説明を受け止めていただきたいと思います。

アルコールによる手指消毒

手軽に手を消毒できるとして活用されているアルコール製剤。

普段であればアルコール製剤の使用量を算出し、使用量が多ければ多いほどその部署は「感染対策が進んでいる」と評価されたりすることもありますが、現状は少し違っています。

というのも、アルコール製剤の納品が全くできていない病院や施設もあると耳にしています(幸い私の病院ではまだ入手可)。

あと2週間で在庫が無くなる見込みという病院もあり、そういった病院では苦肉の策を取らざるを得ません。

汚染度が高い処置を行った後だけアルコール使用を許可する

というような苦肉の策。

必要のない場面で使用する意味もありませんが、現状では本来アルコール消毒が必要とされていた場面でもアルコールの使用を控える必要性が出てきています。

この場面はアルコール

この場面は流水による手洗い

などのように例を出されて使用場面を制限されている病院もあるかと思います。

しかし、その選別はあくまで苦肉の策であり、普段とは違うということを頭の片隅に入れながら先輩方の説明を聞いてもらいたいと思います。

新入職員の方々に気を付けてほしいこと②:新人に手が回せない

①につながるところがあるかもしれませんが、新型コロナ関連にだいぶ人員を割かなければならない事態となっています。

通常業務もままならないような施設もあると聞いていますが、そのような状況下では新入職員に手が回らないのは目に見えています。

この事を新入職員に言ってもしょうがないのかもしれませんが、少なくても病院側がそういう状況だという事は分かった上で入社したほうがいいと思います。

私の病院の私の部署(薬剤部)は今年新人の入職はありません(異動はありますが、私よりも経験値上の方々なので大丈夫なはず)。

が、看護師は大人数入職されました。

その大人数に例年であれば大人数の職員を割くわけですが、今年は必ず同じ人数をかけられるかというとそういうわけではないと思います。

今年の新入職員の方々に伝えたいこと

今年の新入職員の方々は本当に大変な時期に入社となります。

もしかしたら入社後に聞いた説明と、新型コロナが落ち着いたときに改めて聞く説明とでは相違点が多々あるかもしれません。

私なんかはいまだに新人の頃に受けた説明は頭のどこかに残っていたりします。

それくらい最初の説明というのは大事なのだと思います。

しかし、今年に限ってはその最初の説明が「真に正しい内容」とは限りません。

理由は今まで述べてきましたが、是非新入職員の方にはそういった病院などの背景をご理解していただき、そのような状況であるという事を認識したうえで様々な説明を聞いてもらえたら良いのかなと思います。

www.yakuzari.work
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