薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

今度はキュビシン(ダプトマイシン:DAP)が自主回収!!

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キュビシン自主回収
MSDの担当MRさんが普段見せないような形相で私の勤務先である病院に来ました。

いや、正確にはザバクサ発売延期のお知らせを持ってきた時と同じ形相でした。

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これはただ事ではない…

ただでさえ現在の抗菌薬界(?)の行く末は危ぶまれており、自由に抗菌薬を選択できなくなるのではないか?と勝手に悲観してる中でこの形相。

やばい

ちなみに訪問してくれたMRさんは感染症担当の方なのでほぼ100%の確率で抗菌薬の話し…

恐る恐る話しを聞いてみるとキュビシン自主回収とのこと。

今回はこの自主回収について分かっていることを書きます。

キュビシン自主回収の理由

自主回収の理由によっては大変なことになります。

が、結論を先に書くととりあえず大丈夫そうです。

製剤保管施設に関わる薬事手続きに不備が確認されたことから、現在流通の本製品の一部について、下記の通り自主回収することと致しました。
今回の自主回収は、薬事手続き上の不備によるものであり、本製品の品質、安全性及び有効性に起因するものではございません。


引用元:MSD株式会社資料「キュビシン静注用350mg」自主回収のお詫びとご協力のお願い


詳しくはMSD株式会社資料を参照して下さい。
「キュビシン静注用350mg」自主回収のお詫びとご協力のお願い


どうやら製品そのものに問題があったわけではなく、保管上の施設基準にひっかかった感じでしょうか。

とりあえず製品に問題なくて一安心です。製品に問題ない=患者さんには直接の害はなさそうなので本当に良かったです。

キュビシンの今後

上記の資料を見てもらうと分かりますが、自主回収対象なのは一部のロットのみで今後の流通には問題ない見込みとのこと。

どうやら返品対応になるようで、該当ロットを所持している病院は担当卸さんと相談して早期に返品し、新しいロットの製品を準備しておいた方が無難です。
→当院は本日中(7月26日)に交換しました。

と、ここまで文章を書いている間に1通のメールが手元に届きました。

日本化学療法学会からです。

「キュビシン自主回収の知らせがメーカーから本学会に通知がありました。
(中略)
安定供給には全く影響はないとのことです。」
※メール一部抜粋

さらに安堵感が増しました。

昨今の抗菌薬騒動の流れからか抗菌薬に対しての「情報過敏症」になっている方が多いかもしれませんが、正確な情報を正確に対応できるように日ごろから準備しておきたいですね。

その他抗菌薬騒動についてはこちら↓
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