薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

リュープリンSRの出荷調整に関しての不可解な情報

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6月12日の夕方、私が勤務している薬剤部に1本の電話が入りました。

「かくかくしかじかでリュープリンSRが欠品になります」

5月の時点で供給制限がかかっていたのは把握していましたが、欠品とはどういうこと??

実績分は納品可能と聞いてたけど??

新型コロナの関係もあってMRと直接面会して話を聞くのも難しいご時世で、みなさんも情報が交錯しているかと思いますが、私が把握している内容を羅列していきます。

2020年6月15日:リュープリン担当MRからの情報(2020/6/15)と「ゴナックスの出荷調整」に関して追記

2020年6月17日:「武田の公式Hpにようやく情報アップ」と「日本泌尿器学会からのお知らせ」についての内容を追記

リュープリンSRの出荷調整に関する情報

電話であーだこーだ言われても何を言っているか分からなかったので(そもそも普段から当院の薬剤部に出入りしていない担当者なので、聞く気にもなれなかったというのは内緒です)、とりあえず資料をFAXで送ってくれとお願いしたところ下記の資料が送られてきました。

リュープリンSR出荷調整に関する資料(FAX)
 

記載されている内容を抜粋するとこんな感じ。

・リュープリンの製造所である光工場でバリデーション(医薬品・医療機器を製造する工程や方法が正しいかどうかを検証するための一連の業務)を行う必要があり、5月中旬より出荷調整を開始していた


・バリデーションに時間がかかっていること、様々な指摘を受けて生産停止期間が延長し、供給量が低下した


・国内、世界市場における需要量の増加に対応できない


・その結果「リュープリンSR」は欠品


・その他の規格についても出荷調整を継続

→以上のような状況のため、他の治療オプションを検討してくれとのこと。

ちょっと無責任じゃない?というのが率直な感想です。

リュープリンSRの出荷調整への対応

さて、武田薬品への批判は後程として対応を検討しなければならない局面に来ました。

5月の時点では使用実績分は確保可能との連絡を受けていたため、使用している医師には特に連絡していませんでした。

使用本数としては月40分本程度を見込んでいるのですが、現時点で院内在庫が20本程度。

週明けに納品見込みの8本。

これらを使用してしまったら納品の見込みはないとのことで、在庫数から考えても1か月分もたないことが予想されます。

次回外来受診時に「在庫がないため今までの治療は不可能になりました」と伝えなければならない患者さんも出てきてしまうかもしれません。

リュープリンPROへの変更なのか、もしくはゾラデックスへの切り替えなのか…いずれにせもSRの欠品のあおりを受けてまともに納品できないことが容易に想像できます。。

どうしたら良いのか…今のところ具体的な案は出せていませんが、早急に使用している医師と要相談です。

リュープリンSRの出荷制限に関しての患者さん向け用の資料

送られてきたFAXに、実はもう1枚資料がありました。

「リュープリン注射用キット」欠品に関するお詫び

と書かれた患者さん用のこちらの資料なのですが…

リュープリン注射用キットで治療中の患者様へ
 

これはちょっとひどくないですか??

問い合わせ先を書いてはいますが、不安な点があったら主治医に相談しろとのこと。

これは主治医も寝耳に水状態です。

この資料が病院から患者さんに渡すものなのか、それとも何らかの手を使ってメーカーが患者さんに渡すのかは不明ですが、仮に病院が患者さんに渡す資料だとするとこんな資料を手渡すこと自体に罪悪感さえ覚えます。。

もう少ししっかりしたアナウンスがあることを願います。

リュープリンSRの出荷調整に対して真摯に対応してくれることを望みます

工場の問題→供給量低下、需要の増加(新型コロナの影響で手術が控えられていることが影響している?)などが重なってしまった本件ですが、ひとつだけ声を大にして言いたいことがあります。


「武田薬品は早く公式ホームページに本件についての詳細をアップしてくれ!」


5月の出荷調整の時から、一切公式Hpにリュープリンの出荷についてのアナウンスがありません(5月は当院のDI担当等が確認済み)。

当記事執筆時点(6月14日)にも探すことが出来ませんでした。

どういうこと??

出荷調整の段階で情報をアップするのが常識で、欠品の見込みが立った今でも全く音沙汰なし。

いろいろなことを疑いたくなる対応です。

現場としては、早急になんらかの対応をしてもらいたいです。

→6月17日にようやくホームページに記載されたようです。詳細は下に追記しています。

リュープリンSR担当のMRから追加情報あり(2020年6月15日)

医局と薬剤部に情報提供という形で担当MRの訪問がありました。

業務の関係で私自身は直接MRと話をすることが出来なかったのですが、新しい情報として下記のようなことを話していたようです。

「6月末か7月頭にはまた状況が変わるかもしれない」

??

このセリフを間接的に聞いた時には少しドキッとしましたが、どちらかと言うと良い方向に変わっているかもしれないとのことです。

もちろんこの状況でこの情報だけで楽観視することはできませんが、今後の動きも注視する必要がありそうです。

6月17日、ようやく武田薬品の公式Hpで情報がアップされているのを発見

ようやくホームページに情報がアップされました。

武田薬品、リュープリン欠品のお知らせ
 

あえてリンクは載せずに画像だけにしておきますが、どう考えても対応が遅い!!

類薬のゴナックス等の方が対応が早いって…会社としての姿勢を疑いたくなるレベルですね。。

そして更に疑いなることがありまして、、メーカーよりも日本泌尿器化学会からの情報の方が早いって…

日本泌尿器学会からのリュープリン欠品についてのお知らせ
 

まずはメーカーHpに情報をアップして、同時に学会に情報を提供して周知依頼をするものではないのか。。

どうしたらこの順序になるのかは理解しかねるところです。。

リュープリンSRによる煽りを受けるであろう薬品の動向

類似薬としては下記の薬剤がある(規格等の表記は割愛)。

ゾラデックス(メーカー:アストラゼネカ)

ゴナックス(メーカー:アステラス)

リュープリンSRの欠品により上記薬剤の確保が難しくなると予想されるが、先手を打ったのはアステラスのゴナックス。

本日正午頃に担当MRより、

「元々使用されていた患者様を優先するために出荷調整することになった」

との連絡がありました。

同時にアステラスのホームページにもその資料がしっかりと載せられていました。

ゴナックス®皮下注用出荷調整に関するご連絡とお詫び

それに対して、アストラゼネカのゾラデックスは今のところ動きがないようです(単純に当院に情報が入っていないだけかもしれませんが…)。

ホームページを見ても出荷調整等の情報は載っていないようですが、正直時間の問題なのかなと想像しています。

その他供給制限、自主回収、出荷調整関連の記事もあります
www.yakuzari.work↑↑こちらは既に通常運航に戻っています
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