※当記事は医療従事者向けの内容となっています。
今度はメトグルコ錠250mgと500mgが自主回収(クラス1)です。。
メトグルコに加えて他メーカーの一部(メトホルミン塩酸塩錠)も同様の自主回収とのこと。
今回の自主回収に至った理由や対象ロットをまとめておきたいと思います。
【追記】
2020年4月27日:メトホルミン500mgMT「JG」の自主回収について
- メトグルコ(メトホルミン)が自主回収になった理由
- メトグルコ(メトホルミン)にNDMAが混入した理由
- 気になるメトグルコ(メトホルミン)による健康被害は??
- メトグルコ(メトホルミン)自主回収に対して行うべきこと
メトグルコ(メトホルミン)が自主回収になった理由
NDMAというのをご存知でしょうか?
NDMAはN-Nitrosodimethylamineのことで、日本語にすると N-ニトロソジメチルアミンという物質の名前を指します。
このNDMAというのが発がん性物質に値するとされているのですが、この物質がメトグルコ錠から検出されたとのこと。。
こちらにメーカーからの配布資料を貼っておきます。
【大日本住友製薬】↓↓
ビグアナイド系経口血糖降下剤「メトグルコⓇ錠 250mg」「メトグルコⓇ錠 500mg」自主回収(クラスⅠ)のお知らせ
【日本ジェネリック株式会社】↓↓
自主回収(クラス I)のご案内
メトグルコ錠、メトホルミン錠の自主回収は一部ロット
自主回収と言っても全てのロットが対象というわけではありません。
ロットに関しては上記のリンク先を確認していただけたらと思いますが、「ロット数多ッ!!」というのが正直な感想です。。
メトグルコ、メトホルミン塩酸塩錠MT「JG」のどちらかを採用されている病院、薬局は早急に在庫のロットを確認しておきましょう。
メトグルコ(メトホルミン)にNDMAが混入した理由
さて、ところでなぜ発がん性物質であるNDMAが混入してしまったのでしょうか。
その理由はまさかのインクにあったようです!!
PTPヒートの印字等に使用されているインクに含まれている物質と、原薬にわずかに残留していた原料であるジメチルアミンが反応してNDMAが作られた可能性があるとのこと。
いや〜、まさかのインクが原因の可能性があるとは…。
今後のメーカーの対応としてはインクの成分を変える方向とのことです。
気になるメトグルコ(メトホルミン)による健康被害は??
1番気になる健康被害についてですが、今のところ報告なしとのこと!
一安心ではありますが、健康被害に繫がる可能性は否定できないため今回の自主回収に至りました。
メトグルコ(メトホルミン)自主回収に対して行うべきこと
さて、自主回収に至ってしまったのはもはや仕方ありません。
この事態に対して私達は
「患者さんの健康状態に不利益が生じないように」
という考えのもと行動しなければなりません。
安全な代替商品がすぐに提供されるのであれば問題ありませんが、この状況下(コロナ関連)で各メーカーや卸さんの対応も後手後手になることが予想されます。
今回自主回収となったのは先発品のメトグルコのみ(記事執筆時点)大日本住友製薬の先発品・メトグルコ錠と、日本ジェネリック株式会社のメトホルミン塩酸塩錠500㎎MT「JG」です。
しかしメトホルミン製剤の中で両剤がどの程度シェアを握っていたかにもよりますが、後発品等の他メーカーも出荷調整になる可能性も否定できません。
こういう時だからこそ過度な買い溜めは控え、より一層安定供給に努めなければなりませんね。