皆さんは後輩に仕事を回す際、何かを考えて仕事を回すようにしていますか?
私は病院の薬剤部に勤務し始めて12年が経過しました。所属している薬剤師を経験年数で並べてみると、とうとう真ん中を越してきたようで、部署内の半分以上が後輩というような状況です。
このポジションって一番仕事が降ってきて(部署内外問わず…)、いかに後輩に仕事をうまく回すかが大事なことのひとつだと勝手に心掛けて仕事をこなしている毎日です。
この後輩に仕事を回す技術一つで、その仕事は自分のためにもなり、さらには仕事を受けることになった後輩のためにもなるということを最近実感しているので書いてみようと思います。
この記事を読んだことで今自分の目の前にあるその仕事が、自分のためにもなり、後輩のためにもなる仕事に変身してくれたらうれしいです。
仕事を回すことは一概に悪いことではない
皆さん。
一度職場の直属の先輩を想像してみて下さい。
その先輩を想像して冒頭文を読み返してみるとどのように感じるでしょうか?
もし、
「自分に降りかかってきた仕事なのだから自分で解決しろよ!!」
「自分が楽をするために後輩を使うな!!」
と感じるのであれば、その想像した先輩は「何も考えずに仕事を後輩に回している」のかもしれません。
もしくは、あなた自身が先輩の考えを汲み取れていないかのどちらかと思います。
何も考えずに後輩に仕事を回す先輩と言うのは、正真正銘何も考えずに目の前の仕事をただただこなすことしか考えていないため、闇雲に仕事を回してくるでしょう。
今回はそちら側の先輩は置いておいて、何かを考えて仕事を回す先輩が何を考えているのかを紐解いていきたいと思います。
考えて仕事を回す人は何を考えているのか
ま~ここまで書いてなんですが、考え方は人それぞれなのでこれが100%正解というわけではないと思います。
あくまで私自身が最近考えようとしていること、理想としている先輩像をご紹介します。
自分が先輩だったらという仮定で話しをすすめます。
自分の手元に、ある資料を作成するという仕事が降ってきたとします。
この段階で自分が考えるべきことはおそらくこういったことだと思います。
①期日までに仕上げるためにはどのぐらいの仕事量なのか
②期日と仕事量を考えた時に適正な人数はどのくらいなのか
③例えば自分を合わせて4人で取り掛かると考えた際、他の3人にどのように仕事を振り分けるか
④3人が完成させたそれぞれのパーツを自分がまとめるのにどの程度の時間が必要か
こういったところでしょうか?
①~④と項目を分けましたが、おそらく①と②は経験がものを言うところなので時間が解決してくれると思います。仕事の経験値を積み上げていくことでおおよその目安をなんとなく身体で分かるようになってくるでしょうから、①と②の考察は今回省きたいと思います。
ですので③と④を中心に思うところを書きます。
自分以外の人にどのように仕事を振り分けるか
自分が後輩に仕事を回すときのことを思い返してみて下さい。
仕事量、内容ともに大したことのないものであれば、もしかしたらその仕事をそのまま一人の後輩に回すこともあるかもしれません(自分で片づけても良いが、自分が他の仕事で手一杯の時などは仕方ありません。)
しかし、仕事量がある程度大きくなってくると複数の後輩に頼まなければならないような仕事も出てきます。
その時に、どのように仕事を細分化して振り分けるか。
これが先輩としての腕の見せどころかと私は思います。
ただただ仕事を3等分して、3人に同量・同内容の仕事を頼むのも手だと思います。頼まれた仕事をこなすことで後輩としても経験値を積むことになるので成長してくれるかもしれません。
しかし、どうせ経験値を積むのであれば、適した方法で経験値を積んでほしいと私は思うようになりました。
つまり、
「後輩Aさんはこの分野の仕事が苦手だから、得意な後輩Bさんと一緒に仕事をしてもらうことで苦手を克服してもらおう!」
とか、
「最近後輩Cさんはこの分野のことを自己学習しているようなので、さらに理解を深めてもらうために少し仕事量が多いかもしれないけど、敢えてこの仕事をお願いしてみよう!」
などです。
こうすることで、もしかしたら後輩AさんはBさんと一緒に仕事をすることで苦手な仕事を一つ克服できるかもしれませんし、後輩Cさんはさらに勉強になったかもしれません。…後輩Bさんは今回、教育係として貢献してもらった感じでしょうか?教育係もそれはそれでより理解を深める良いキッカケになるなるかと思いますので良しとします。
このように、ただただ仕事を闇雲に回すだけではなく、後輩の今後の成長を見込んで仕事を回せる先輩がいたら良いと思いませんか??特に医療業界では日々勉強と言われますが、何を勉強したら良いのかも分からないという時期がどうしてもあります。この状況を打破してくれるのはやはり先輩であり、先輩のこういった気遣いにより道が開けた感じを私も経験したことがあります。
私自身も、後輩の成長を気遣いながら仕事を回せる先輩になりたいものです。
それぞれが完成させたパーツを自分がまとめるのにどのくらい時間が必要なのか
③の過程では後輩A、B、Cさんの3人に仕事を回しました。
仮にそれぞれの仕事が終わり、自分の手元に3人それぞれの仕事の完成品が提出されたとします。
ここからは仕事を回したものの責任として最低限やらなければならないことがあります。
それは完成品それぞれの見直し(文章であれば校閲)をしなければなりません。
さらに、今回の仕事は資料の作成なので、それぞれの完成品をさらにまとめて「資料としての完成品」を最終的に作成する必要があります。
この2つの過程は頼んだ人の宿命です。もし後輩が作った部分の資料に一部不備がある状態で提出してしまい、その後に間違い等を指摘されても、それは後輩の責任ではありません。仕事を回した自分の責任となります。後輩のため、自分のためにもしっかりと見直しと、必要であれば再提出させるなどが必要です。
仕事を回すことで最終的に一番成長したのは自分?
後輩と力を合わせたことで、見事に資料を完成させ仕事を終えることが出来ました。
ちなみに、この一連の仕事を行ったことで一番成長したのは誰だと思いますか?
後輩A?
後輩B?
私は、なんだかんだで先輩である自分ではないかと思います。
もちろん後輩も間違いなく成長しているはずですが、その後輩のことを考えながら与えられた仕事量・内容を把握し、しっかりと後輩に仕事を回し、最終的に校閲等も行い資料をまとめ
上げた先輩が一番経験値を積んでいるのではないかなと思います。
せっかく自分の手元に降ってきた仕事。どうせなら後輩も自分も成長に繋がるように仕事を細分化して割り振ることで、お互い経験値を積む。後輩もそういった経験値を積むことで、いずれかは仕事を回す方になるでしょう。
そのころの先輩としての自分は?
経験値をたくさん積んだ後輩にもしっかりと先輩として見てもらえるように、経験値を確実に積んでいきたいと思う今日この頃です。