2018年11月から継続していた嫌気性菌感染症治療薬である「アネメトロ点滴静注液500mg」の出荷調整が解除されることになったとのこと。
近年抗菌薬関係の出荷調整などが続いており、現場では苦労されている方も多数いらっしゃるかと思いますが、一つ悩みの種が消えることになりそうです。
「アネメトロ」の出荷調整解除のご案内
本日(2020年2月20日)にファイザー株式会社の担当MRさんより下記の資料を頂きました。
※画質が悪くて申し訳ありません。。
どれだけこの日を待ちわびていたか…。
ただし、本日付で出荷調整が解除になったわけではありません。
関係卸への出荷調整解除日が2020年2月26日(水)となっていますので、病院に自由に納品可能となるのは月末になるのではないかと想定されます。
「アネメトロ」の出荷調整解除において現場で変わるかもしれないこと
実はアネメトロが出荷調整となっている期間に大きな変化がありました。
それは
「ザバクサ配合点滴静注用」
の発売です!
ザバクサと何の関係があるの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は多いに関係ありです(少なくても当院では)。
ザバクサの添付文書を見てみると答えが分かります。
添付文書の【用法用量】の欄に下記のような記載があります。
なお、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍に対しては、メトロニダゾール注射液と併用すること。
添付文書上にはメトロニダゾール注射液と記載されていますが、実のところ発売されているメトロニダゾール注射液は「アネメトロ」のみですので、
アネメトロと併用すること
と読み替えることが出来ます。
カルバペネムの使用量を減らす等の謳い文句で発売されたザバクサですが、この薬剤を腹膜炎等の疾患に使用する際には必ずアネメトロとの併用が必要でした(今でも必須です)。
仮に腹膜炎でザバクサを使用した方が良いとされる症例が出てきても、アネメトロの在庫が確保できなかったためにザバクサの投与を躊躇してしまった症例が何例もあります。
ザバクサの在庫はあるのにアネメトロの在庫がないために使用できない…
こんな状況が続いていましたが、来週末以降は考える必要がなくなりそうです。
つまり何が言いたいかと言うと、
「ザバクサの使用症例が増えるかもしれない」
と私は勝手に予想しています。
果たして使用症例は増えるのでしょうか?
今一度ザバクサの復習をしておいた方が良さそうです。