薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

今度はヘプタバックス-Ⅱが販売・製造中止!!

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ヘプタバックス供給停止
またもや情報が飛び込んできました…。

今度はヘプタバックス-Ⅱ(B型肝炎ワクチン)が販売・製造停止のようです。

今はセファゾリン問題でそれどころじゃない!!と声を大にして言いたいところですが、ワクチン関係もICTもしくはAST担当薬剤師としてはしっかりと対応していかなければなりません。

セファゾリン騒動はこちら↓↓
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ついでにタゾピペ騒動はこちら↓↓
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今のところ、当院担当のMRさんと卸の方から情報をいただいています。その限りで現時点で分かっていることを書いておこうと思います。追加情報をゲットした際には随時情報をupしていきます。

2019年7月30日→「2019年7月末現在:当院の状況」を追記

ヘプタバックス-Ⅱ販売・製造停止の理由

原液製造の上流工程において所定の規格を満たせない事情が断続的に発生したことを受け、日本及び世界各国に向けて供給しているすべてのB型肝炎ワクチンの製造を自主的に中止し、原因究明にあたっております
引用元:MSD配布資料

ヘプタバックス-Ⅱの今後の供給は??

今のところメーカーと卸とで言っていることが違う印象です。

メーカーからの情報

とりあえず供給がストップするのは0.5mL製剤は2019年10月以降、0.25mL製剤は2020年1月以降にメーカーから卸の方に供給できなくなる見込みとのこと。

卸からの情報

メーカーは上記のように卸にも情報を渡しているようですが、既に出荷調整がかかっているとのこと(既存の契約施設優先で販売するようにと)。0.5mL製剤については一応10月分までは大丈夫とメーカーは言っているが、メーカーから卸にどのようなスケジュールでどの程度の数が卸されるかが未定のようで、ただただこちらも不安です、とのこと。

しかし、こういった供給停止の情報が出回ると、どこの施設でも買いだめする傾向にあるので、上記の期日より早く供給がストップしてしまっても不思議ではありません…。

現状できること

おそらくどこの医療機関も新入職員などに一斉に接種が開始される頃かと思います。しかしB型肝炎ワクチンは1度のみではなく、半年程度の間で3回接種が基本となっています。1回目のワクチンは準備できたけど、2回目3回目は準備出来ませんでした、では洒落になりません。

「ビームゲン」というワクチンもありますが、現在の流通量がヘプタバックス:ビームゲン=30:1という噂もありますので、ビームゲンだけでの対応はなかなか難しいような気がします(製造を強化するように依頼はされているようですが…)。

さらに、B型肝炎ワクチンは母子感染の予防や、針刺し事故などの時にも絶対に必要なワクチンです。状況をしっかりと見極めていく必要がありそうです。

2019年7月末現在:当院の状況

年に3回接種するスケジュールが組まれるB型肝炎ワクチンで、職員に関しては無事に2回目までの接種が終わりました(全例ヘプタバックス使用)。

しかし問題は3回目。

今年の3回目は9月中旬に行うスケジュールなのですが、、ワクチンを準備出来る目途が全くたっておりません↓↓

ヘプタバックスのMSDの言い分だと、

去年の9月までの実績分は確保できています

とのことでしたが、なんと去年の当院の3回目の接種は10月に行っていました。。

なんたる不運。

10月に購入し10月に接種していることから、「去年の9月までの実績分は確保できています」の実績に入っていないようです。

これは困りましたね…。

ビームゲンに関しては「アステラス」から「明治」へ変更となっており、どちらでも良いのでということで購入したい旨を卸さんに伝えても現在は不可能とのこと。。

「アステラス」製は市場に出回っているもので終了。「明治」製は現在製造を強化しているとのことだが、現段階では事実上の「出荷制限」状態。

「明治」製のビームゲンの製造強化が功を奏するのが9月頃を見込んでいるようで、その頃になれば当院でも3回目のワクチンが確保できるようですが、現場としては不安でしかありません。

9月まで待った結果「やっぱり準備出来ませんでした!!」となる可能性もゼロではなく、暫く冷や冷やしながら状況が改善されていくのを待つしか無さそうです。

2019年8月末現在:当院の状況

さてさて。

職員の3回目接種を9月の中旬に計画しているのに、必要数の1/3も確保出来ておりません(8月28日現在)。

先日「Meiji Seikeファルマ」からこんなお知らせをもらいました。
※Hp上で見つけられずに写真となってしまい申し訳ありません。

ビームゲンについての案内
Meiji Seikaファルマからのお知らせ

要約するとこんな感じです。

・MSDのヘプタバックスの供給が難しくなるという情報が出てから、「ビームゲン」の出荷量が想定を超えて増大したため出荷量を調整していた

・生産効率、最大接種回数を確保するという観点から「ビームゲン0.25」の製造を抑えて「ビームゲン0.5」の製造に力を入れている

・0.25mL、0.5mLともに2019年10月まで出荷調整

・0.25mLは2019年11月以降欠品

・0.5mLは2019年11月以降、増産分を供給

こんなお知らせが出ているのでビームゲンの納品は難しそうだな~と思いながらもダメ元で発注してみたところ、Meiji側としてはMSDのヘプタバックスの在庫が枯渇してからでないと供給は難しい返事。

すると、担当MR(Meiji)さんからこんな話が。

私がMSDと卸に掛け合ってみます

??

MeijiがMSDに「残っているヘプタバックスを供給しろ!」と言ってくれるようです。

このメーカー間のやりとりでどのようになるかはまだ分かりませんが、動きがあったらまた当記事を更新したいと思います。