今回は、少し病院薬剤師の仕事について書いてみたいと思います。
皆さん、突然ですが病院薬剤師って病院でどのような仕事をしているかご存知ですか?
「処方箋を見て薬を取り揃えてるんでしょ?」
「粉を測って分包してるんでしょ?」
「重々しい格好をして注射薬を作ってるんでしょ?」
こんな感じの声が聞こえてきそうですが、全て正解ではありますが、私的には他の業務のことも一般の方に知ってもらいたいと思います。
今回はまず、処方箋を見て薬を取り揃えてるんでしょ?にあたる「調剤業務」を紹介したいと思います。
病院薬剤師の仕事内容「調剤業務」とは
処方箋を見て薬を取り揃える→正式には調剤と言います。
調剤しているところを傍から見ていると「処方箋を見て薬を取り揃える」で間違えではありませんが、実は奥が深いんです!!
一昔前までは、ただ単に処方箋を見て如何に早く正確に医薬品を取り揃えることが出来るかが求められてきましたが(狭義の調剤)、現在ではそれだけではなく、発行された処方箋を監査することが求められています(広義の調剤)。
処方箋監査の一例
禁忌の有無のチェック
→薬によっては「こういう人にはこの薬を投与してはいけません!!」と添付文書に記載されていることがあります。
それを無視して(気づかずに)調剤をしてしまうと、患者さんに重篤な諸症状が出てしまうことがあります。
相互作用、重複投与の有無のチェック
→薬の組み合わせによっては、思いもよらず効果が強くなってしまったり弱くなったりしてしまう組み合わせがいくつもあります。
数をあげると限りがありません。もちろん僕も全パターンを頭に入れているわけではありません。
その都度本やインターネットで調べながらチェックを行っています。
重複投与というのは読んで字の如くですが、同じ薬をダブって内服・注射してしまうことを指します。
病院をいくつか掛け持ちしているような患者さんで比較的多いとされています。
副作用チェック
→出ないことが一番ですが、やはり「薬」である以上一定の割合で出てしまうのが副作用です。
採血して初めて気づく副作用もあれば、患者さんからの訴え(たとえば、最近お腹の調子が悪くて…など)で副作用に気づく事もあります。
しかし、病院の調剤室(調剤を行う場所。一般的にはここを薬局と指すことが多い)では、実際に患者さんと話しをするわけではないので(実際に話しをするのは入院患者の場合は病棟薬剤師、外来の場合は院外処方のため院外の保険調剤薬局の薬剤師)、電子カルテ上で患者さんの様子を確認する作業に留まっているのが現状です。
それでも気になる事がある際には、担当の病棟薬剤師等に個人的に連絡を取って様子を確認するなどの作業も行われれています。
投与量チェック
→薬ではある程度の投与量が設定されています。
たとえば「Aという薬は1日3回毎食後に1錠ずつ内服」「Bという薬は1日1回(朝)食後に2錠内服」と言った具合です。
この設定通りに使用しないことで思うような効果が出なかったり、場合によっては副作用が起きやすくなることもあります。
そして一番厄介なのは、この設定されている投与量に例外があることです!!個人的に紹介したい例外のひとつとして、腎不全の方への投与量です。
薬は内服したり注射された後、肝臓や腎臓で解毒(代謝と言います)されて体外へ排出されます。
しかし、腎不全だったりで腎機能が落ちていると、この解毒する力も弱まるために一般の方よりも薬が体内に残ってしまうことがあります。
そうなると最終的に効果が強く出てしまう、副作用の頻度が高くなってしまう、などが考えられるためより一層チェックを厳しくしなければなりません。
病院薬剤師の仕事「調剤業務」まとめ
調剤についてパッと思いつくことをズラズラと書いてみました。
今回書いたことは調剤をする、と言うよりは調剤をする前にチェックすること、つまり処方監査の紹介文みたいになってしまいましたね。
次回は調剤のもう少し具体的な手法(?)的なものを紹介できたらと思います。
その他の仕事紹介はこちら↓
www.yakuzari.work
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