薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

病院薬剤師としての仕事内容~調剤業務実践編~

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前に書いた記事で病院薬剤師の仕事の一つである「処方箋を見て薬を取りそろえる」→「調剤」について、病院薬剤師が何を考えて行っているのかを紹介しました。

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それでは今回はその「調剤」の実技(?)について紹介できたらと思います。

※注射薬についても「調剤」と言いますが、注射薬に関しては別記事で書きたいと思います。あくまで本記事は内服薬についてです。

病院薬剤師としての調剤業務実践編①ピッキング

処方箋を見て、正しい薬を正しい数準備する→「ピッキング」と言うことがあります。「ピッキング」と言うと、一般的には伝票などを見て倉庫から商品を取り出す作業のことを言ったりしますが(バイトの求人なんかで良く見ますよね)、調剤においても「ピッキング」と言います。

何も考えずにピッキングを行うだけであれば、それこそ機械にやらせた方が効率が良いと思いますが、上でも紹介した記事で書いた通りピッキングの裏では様々なことを考え、確認して行っています。

※何も考えずにひたすらピッキングをする薬剤師を「ピッキングマシーン」と言ったりします

病院薬剤師としての調剤業務実践編②一包化(ワンドーズ)調剤

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実際にワンドーズにされている薬の見本です

この写真のように調剤されている薬を見たことはありませんか?
このような調剤をするのには下記のような理由があります。

・服用する薬の数が多くて、一包化しないと正しく管理できない文章

・目が不自由で、一包化にしないと薬の準備ができない

・手が不自由で、一包化にしないと薬を出せない(シートから錠剤を取り出せない)

実際に袋に詰める作業は機械が行うのですが、薬の中には湿気に弱いものや光に弱いものがあり、一概に全ての薬剤が一包化できるわけではありません。そこで薬そのものの特性等を考慮して一包化可能な薬、不可能な薬を判断して調剤します。

病院薬剤師としての調剤業務実践編③散薬(粉薬)調剤

元々粉でしか存在しない薬だったり、またはもともと錠剤だが、何かしらの理由で錠剤を粉砕して粉薬として分包するような調剤を指します。

1包あたり0.3g等と処方箋で指定して調剤しますが、粉の量り方や計算を間違えると医師が考えていた量の10倍・100倍投与してしまうことになりかねないため、すごく慎重に行う必要があります。粉薬は体重あたり何gが妥当とある程度の目安が設定されているものが多いのですが、時には医師がその計算を間違えたり、薬剤師が間違えたり色々なケースが考えられるので、本当に気を使って調剤を行います。

粉薬があると、薬をもらうのに待ち時間が長くなった経験はないでしょうか?待ち時間が長くなってしまっているのは、裏で薬剤師が慎重に計算して、慎重に確認作業を行っているためだと大目に見てやってください。

調剤業務実践編まとめ

いかがでしたか?

なんとなく病院薬剤師の仕事の一部を理解していただけたでしょうか?

しかし、この記事と前の記事で紹介した業務は、調剤薬局の薬剤師さんも行っています。これらの仕事は病院薬剤師ならではの業務ではありません。唯一違うところとしては、病院ではすぐに患者さんのカルテを見ることができ、様々なチェックを行えることぐらいでしょうか(採血結果など)?

つまり、調剤については調剤薬局・病院に勤めている薬剤師である以上、必要最低限な業務・スキルです。ですので、次回からは病院薬剤師ならではの業務を紹介できたらと思います。

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