薬剤師とザリガニの奮闘記

~薬ザリ(yakuzari)の備忘録~

【日医工】今度は6成分7品目の自主回収だってよ…

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例の日医工が6成分7品目の自主回収を発表したとの情報が入ってきました。


「またか…」


という言葉とため息しか出てきませんが、対象薬剤と自主回収に至った経緯を調べてみました。

日医工の自主回収対象医薬品は6成分7品目

2020年だけで何度目の自主回収になるのでしょうか。。


何度かあった自主回収で一番大きかったのは4月だったと思います。

www.yakuzari.work

この時に比べれば対象薬剤の品目は少ないのですが、それでも6成分7品目です。。


6成分と今回自主回収に至った理由をまとめます。

 
タムスロシン塩酸塩カプセル0.2mg「日医工」
→書類に欠落があり、出荷時の品質に問題があると考えられたため
 
ニチコデ配合散
→定量試験が承認規格に適合しない結果が得られたため
 
バラシクロビル顆粒50%「日医工」
→定量試験および溶出性試験が承認規格に適合しない結果が得られたため
 
プラバスタチンナトリウム錠10mg「日医工」
→溶出性試験が承認規格に適合しない結果が得られたため
 
ホスホマイシンカルシウムカプセル500mg「日医工」
→承認書に記載のない工程を実施していることが判明したため
 
ランソプラゾールカプセル15mg/30mg「日医工」
→書類欠落により出荷時の品質に問題があると考えられたため
 

※上記の薬品名をクリックしてもらうと、メーカーが出している自主回収のお知らせ(PDF)を閲覧することが出来ます。

今回の日医工の自主回収で気になった医薬品~タムスロシン&ランソプラゾール~

タムスロシンとランソプラゾールですが、原因は両剤ともに「書類の欠落」となっています。


幸いなことに品質には問題なく健康被害につながる恐れはないとなっていますが…「書類の欠落」って一体なんなんですかね??


もちろん医薬品を製造するための書類が容易でないことは想像できますが、さすがに管理がずさんなのでは??と疑ってしまうレベルです。


しかもランソプラゾールに関しては1度4月に自主回収対象となっています。


その後も調査を継続した結果、自主回収すべきロットが増えて今回対象ロット追加と言う形で発表されたようですが、、発表の仕方が分かりにくい。。


日医工のホームページを見ても、正直ランソプラゾールの対象ロットが追加になったということにすぐ気づくことは難しいです。


2020年4月に発表した資料に追加という形で発表になっているため、時系列的に2020年4月の情報まで遡らないと今回の追加の件についての情報を見つけることが出来ません。


もうちょっとホームページ上の公表の仕方があるのでは?と個人的には思います。

今回の日医工の自主回収で気になった医薬品~ホスホマイシンカルシウムカプセル500mg「日医工」~

続いてはホスホマイシンカルシウムカプセル500mg「日医工」についてです。


理由は「承認書に記載のない工程を実施していることが判明したため」となっていますが、何それ??


これは確信犯と言われても仕方がないミスだと思います。


案内書にはこんな一文が入っています。


「承認書に記載のない工程を実施しておりますが、出荷前に規格に適合していることは確認しておりますので、重篤な健康被害が発生する恐れは無いと考えております。」


何?結果が良ければそれまでの過程はどうでも良いってこと??


仮にも人の命を預かる医薬品製造者がこんなこと言っちゃダメでしょ??


こんなことを言っている医薬品メーカーを信用しろ!という方が無理ですね。

今回の日医工の自主回収で気になった医薬品~バラシクロビル顆粒50%「日医工」~

バラシクロビルは主に単純疱疹や帯状疱疹に対して処方される医薬品ですが、一般的には症状が出たら早期に治療を開始して、必要量をしっかり服用してもらうことが治療の要とされています。


治療が遅れれば遅れるほど、必要量より少ない量で服用してしまえばしまうほど、主に帯状疱疹後の後遺症(痛み、掻痒など)が残りやすいと言われています。


そのような中で、


「定量値が承認規格下限値を下回り、有効性が懸念されますが、定量値と承認規格下限値の差異は僅かであり、また、溶出性が遅いことにより吸収の遅れが生じ、効果発現が遅延する可能性がありますが、製品使用によって重篤な健康被害が生じる可能性はないと考えております。」


と、また無責任なことを書いています。


実際はどの程度の下限値を下回ったのか、どの程度効果発現が遅延するのかは定かではありませんが、そこが要だって言ってるのに「重大な健康被害が生じる可能性はないと考えております。」なんて、どの口が言えるもんなのでしょうか。


度重なる日医工の自主回収情報を振り返って一つ決意しました

度重なる日医工の自主回収に対して、私自身一つ決意したことがあります。


「日医工の薬を全て他メーカーに変更しませんか?」


と薬剤部長に相談することにしました。


4月の時点で日医工製品の扱いをやめた病院もいくつかあるようで、私の病院でも同じことが出来ないかと考えました。


どうしても日医工製品ではないと困るというものがあれば別ですが、私が勤めている病院から日医工製品を出来る限り根絶させたいと思います。


いくら大きな健康被害が出ていないからと言ってこれだけ自主回収が続いていると信頼関係も何も生まれませんし、自主回収の度に薬剤部で無駄な仕事が増えてしまうことに我慢できません。


早々に決着を付けられるように動いてみようと思います。


話しはそれますが…小林化工が大変なことになっています…↓
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