セファゾリン供給問題にはだいぶ頭を悩まされている薬剤師・医師が多いかと思います。
そんな中、先日「日医工」のMRさんより
「セファゾリンナトリウム注射用「日医工」の供給対応に関する進歩状況」
という資料をもらい、現段階での再開に関する進歩状況を聞いたので、その内容をまとめてみたいと思います。
資料の記載内容について
記載されていたことをまずは羅列したいと思います。
セファゾリンの今までの製造経路
出発物質であるTAA(1H-テトラゾール-1-酢酸)を中国から入手し、原薬メーカーであるOLON社(イタリア)でセファゾリンNa原薬製造→セファゾリン製品製造
セファゾリンの今後の製造経路
出発物質であるTAA(1H-テトラゾール-1-酢酸)を中国から入手し、原薬メーカーであるDobfar社(イタリア)でセファゾリンNa原薬製造→セファゾリン製品製造
このルートでの供給再開は秋頃を予測している。
他のセファゾリンメーカーへの協力依頼
他メーカーへ増産等の協力依頼を継続しているが、現時点において急な増産が困難な状況により代替対応が出来ない旨の回答をもらっている。
その他
・各学会に対応の検討を依頼している
・供給再開の具体的な時期は未定(一応秋頃と書いてはあるが、個人的には信憑性ゼロと思っています)
・AMR対策の視点からも過度に広域スペクトルの薬剤が使用されないように注意する。
資料に目を通しての感想
正直何も参考になる情報はありません(泣)
原薬メーカーに関しては正直名前も聞いたことありません(僕だけかな?)。さらに、OLON社もDobfar社も同じイタリアということで全く区別がつきません…。
とりあえず製造ラインが変更になるので今後は大丈夫かな?とも思えますが、不安は完全にぬぐい切れません。今回の騒動の原因は「不純物の混入」ですが、原因を完全には特定できていないようです。「日医工」のホームページにその旨のことが書かれているpdfが公開されているため、下にリンクを貼っておきます。興味のある方はご覧ください。
https://www.nichiiko.co.jp/medicine/file/54100/information/o-cefazoli_01.pdf
今回の通知で薬ザリ的に見逃せない一文
見逃せない一文がこちら!!
AMR対策の視点からも過度に広域スペクトルの薬剤が使用されないように注意する
いやいや、何言ってんの??と言うのが正直な感想。
正しいことを言っているのは重々分かるけど、代替薬のセフェム系の薬剤も相次いで出荷調整がかかっている状況で、ある程度ここについては目をつぶってもらわないと現場では何も対応できません!!
もちろんAMRの大事さも分かりますが、目の前の患者さんを中心で考える現場ではそうも言ってられない場面も多々あります。
おそらく、AMRのことを触れると僕みたいに考えてしまう人も出てくるし、逆にAMRのことを触れなければ触れないで「AMRのことを全く気にしていないメーカー」と烙印を押されてしまう…どちらの対応でも何かしら言われてしまいますね!しかし、それだけの事をしてしまっているので仕方ないと僕は思います。
現場の僕たちに出来ることを日々模索する
まず第一に考えなくてはならないのは、目の前の患者さんに不利益が出ないようにすることです。AMRのことを無理に考慮し、その結果患者さんに不利益が出てしまっては元も子もありません。そのようなことにならないように、僕ら医療従事者は常に正しい情報に耳を傾け、どのようなことが起きても迅速に対応できる術を身に着けてなければなりません。
もしかしたらこういう本が役に立つかもしれません(今回の一件がなくても大変ためになる本ですよ。白衣のポケットに入るサイズで、僕の白衣のポケットに常にインしています)。内容の濃さの割にお手頃価格なので要チェックです!
それではまた、CEZに関して追加情報があったら情報をUPしたいと思います。
今までのCEZ情報+αはこちら↓↓
www.yakuzari.work
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※とうとう供給再開スケジュールが発表(2019年9月末)!!
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