現在、私の病院ではMRさんは特段の用事がなければ出入り禁止となっているのですが、meijiのMRさんが血相を変えて薬剤部にやってきました。
「ナファモスタット「MEEK」が出荷調整になります!」
そのうちなるとは思っていましたが、とうとうなってしまいました。。
今回ナファモスタットが出荷調整に陥っていた理由と私が思うことをまとめてみます。
ナファモスタット出荷調整の第一報
私の病院では3月25日のPMに下記資料をMRさんから頂きました。
見事に全規格が出荷調整の対象になっています。。
出荷調整の程度
一言で出荷調整と言ってもいろいろな段階がありますが、現時点ではこの程度とのこと。
・新規での購入をお断り
・普段購入している病院で、普段通りの発注数であれば対応可能
今すぐ在庫がゼロになるというわけではなさそうなので、そこは一安心ですね。
ナファモスタットが出荷調整になった理由
今世間を騒がしている新型コロナウイルス(COVID-19)関連感染症。
これに対してナファモスタットが効果を示す可能性があると報じられたのは3月18日。
これが原因ですね。。
もちろん治療に使用できるかもしれないという情報自体は朗報なのですが、どうやらその情報の受け手に問題があったようです…。
担当MRさん曰く、首都圏の病院で大量の買い占めが行われたため調整をせざるを得なくなったとのこと。
間違いなくCOVID‐19に対する過剰購入であり、配布資料にもやんわりとそのようなことが書かれています。
ナファモスタット出荷調整に関して私が思うこと
COVID-19 に対して効果がしっかりと証明された治療薬がないので、この手の情報が出て各病院で「もしもの時のために…」と考えて購入するのはある程度仕方がないのかもしれませんが、普段使用している患者さんのことを考えてほしいというのが私の本心です。
一般的には膵炎の治療薬として認識されているかもしれませんが、実は血液透析を行う際の抗凝固薬としても使用されます。
私の病院では血液透析を行っている患者さんが多数いらっしゃいます。その中の一部の患者さんは治療毎(一般的には週3回)にこのナファモスタットを使用しなければなりません。
ナファモスタットが入手困難→特定の患者さんに使用できない→透析できない→つまり…。
単純にこのような結末になることはないかもしれませんが、最悪のシナリオとしては成り立ってしまう話です。
新型コロナウイルスに対してナファモスタットを使用して患者さんが軽快するのはもちろん良いことですが、少なくても現時点で大量に備蓄するのは間違っていると思います。
各医療機関の方々は節度ある購入を心掛けてもらいたいと思います。
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