2019年12月21日の午前中、何気なくTwitterを見ていたらこんな感じのつぶやきを発見!
「とうとうオルケディアの適応が追加!」
おっ!
とうとう追加したか!!
と思いメーカーサイトに移動して調べてみると確かに適応追加の旨が記載されている資料を発見!
オルケディア®錠(エボカルセト)の国内承認事項一部変更承認取得のお知らせ
まだMRさんから案内は受けておりませんが(と言うか、適応追加になった日は有給だったため不可能でした)、正確な情報と判断。
今回の適応追加で私なりに考えるところを書いてみたいと思います。
まずはオルケディアの適応等を復習
オルケディア(成分名:エボカルセト)は新規カルシウム受容体作動薬として2018年3月に製造承認を取り、2018年5月に薬価収載→販売となった薬剤。
この時の製造承認で取得した適応は
「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」
のみでした。
発売当初(現在もですが…)は、既発売薬であったレグパラ(成分名:シナカルセト)の改良版として大きな話題となりました。
オルケディアの前にレグパラの歴史も復習
レグパラは2008年1月に「維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症」を適応として発売されたカルシウム受容体作動薬。
おや??
上で紹介したオルケディアと同様ですね。
しかしレグパラはその6年後ある適応を追加しました。
それは、
「下記(※1)疾患における高カルシウム血症」
※1 副甲状腺癌、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症
です。
それまでは透析(以後、HD)患者さんにしか使用できなかったレグパラですが、その時の適応追加でHDに関係ないけど副甲状腺機能が更新してしまっている方(副甲状腺癌、摘出不能患者、術後再発の原発性服甲状腺機能亢進症)にも使用できるようになり、一気に使用頻度が上昇しました。
レグパラの問題点:消化器症状
レグパラを内服している患者さんを頻繁に見る機会がある薬剤師であれば、何度も遭遇してきただろう
「レグパラ内服による消化器症状」
本当にこの副作用は困ったもので、時間をずらして内服してもったり(消化器症状が出やすい時間に既に就寝しているようにするため、22時前後の内服を指示等)、胃薬を追加したり、、ただでさえレグパラを内服する必要がある人はポリファーマシー気味になっているであろうに、レグパラを内服することでさらにポリファーマシーに滑車をかけたと言っても過言ではない人も多数いらっしゃいました。
「この薬を飲むと吐き気がするから、先生には言ってないんだけど全然飲んでないよ!」
と薬剤師に暴露してくれた患者さんもそれ相応な数いらっしゃいました。
オルケディア待望の適応追加
上で紹介したような歴史もあり最初はレグパラが多く使われていましたが、オルケディア発売後は適宜レグパラ→オルケディアに切り替えを行った病院・施設が多かったかと思います。
しかし適応の差異があるため、レグパラを内服していた全患者さんを副作用が少ないオルケディアに変更するということは出来ませんでした。
そこで、今回オルケディアの適応追加。
追加された適応を見てみると…
「下記(※1)疾患における高カルシウム血症」
※1 副甲状腺癌、副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症
おや??
レグパラで2014年に追加になった適応と全く一緒です!
つまり2019年12月20日をもって、適応上
「レグパラ=オルケディア」
となりました!!
これは大分朗報です。
HD患者でレグパラを内服していて消化器症状が出ている方の場合、適応上の問題もありませんので医師に相談(レグパラ→オルケディアへの切り替え等)をしやすい案件かと思います。
しかし、HD患者以外でレグパラを内服していて消化器症状が出ている患者さんに対しては我慢して内服してもらう、もしくは内服中止を余儀なくされる方もたくさんいらっしゃいました。
でも、今度からは違います!
副作用がレグパラより少ないとされているオルケディアを正々堂々とおススメできることになりました。
これを機に、一度レグパラを内服している患者さんを全てリストアップし「消化器症状が出ている患者を抽出」→「オルケディアへの変更を医師に打診」という取り組みをしてみると良いのかもしれませんね。
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